本作は、「矢野俊策、F.E.A.R.、KADOKAWA」が権利を有する「ダブルクロス The 3rd Edition」の二次創作物です。

本ステージにおけるオーヴァードの扱い
●VEステージのオーヴァードについて
 基本ステージにおけるオーヴァードとは、レネゲイドウイルスに感染し、発症した事で覚醒した存在の事を示すが、本ステージにおけるオーヴァードとは、このページに記載した通り、イドと呼ばれる異界に存在する個々人の一側面との同調によって、覚醒する存在であり、基本ステージのオーヴァード以上に、自己との対話や対峙が重要視されるのが、本ステージにおけるオーヴァードである。

 イドが自身を侵蝕するのは避けようが無く、オーヴァード自身が抗うしか無いのだが、それの抗いの糸を強靭にさせ、オーヴァード自身の自己の補強を行うものが、絆(ロイス)だ。ロイスによる力はイド自身にも影響を与え、本人の強い想いや感情を反映して、通常以上の効力を発揮する手助けとなってしまう。侵蝕し、現実の自己を塗り替える事こそが本能であるイドであっても、オーヴァードであるその人自身の力の供給を怠る事はない。それこそがイドとオーヴァードの共生関係を如実に示すものとなっている。

 オーヴァードが持つとイドの持つ衝動の揺れ動き。その両者の狭間で、オーヴァードは常に戦い、人であり続ける事を求められているのだ。

 その為、イドの力であるエフェクトの行使を現実で行う事は、オーヴァードの侵蝕を更に深める行為であるとされ、イドの暴走を引き起こしてしまう要因となってしまう。これはワーディングにも適用され、異界外での力の無暗な力の行使は自己の破滅を招く行為である事も自覚せねばならないだろう。その際の侵蝕率の揺れ動きに関しては「イドと侵蝕率について」のページを確認してほしい。
 しかし、リザレクトやイージーエフェクトに関してはイドの反発を引き起こす要因になる事は少なく、侵蝕率を引き上げるイージーエフェクトであっても、反転判定を行うような行為ではない事を覚えておくと良いだろう。本ステージにおけるイージーエフェクトは基本ステージよりも重要度が高い事を認識してほしい。

 本ステージにおけるオーヴァードは基本ステージのように裏社会にて様々な職種や組織に立つ人物がいるが、フリーランスの異界組織から依頼を受けて、活動するオーヴァードが数多く存在する。組織に在籍する事のしがらみを嫌うものや、ある程度の協力関係は築きながらも組織への在籍を拒むもの、生来の気質故のフリーランスと数多いが、それらを纏めているのが、ラウンジと言うフリーランスのオーヴァード達の相互扶助団体である。

 ラウンジの詳細については別途記載するものの、特定の組織に入らないオーヴァード達を支援し、組織内のオーヴァードにとっても情報交換の場や異界で利用する物品の取引や依頼の斡旋を行う組織として広まっており、各国の都市部や街に一般の店に擬態する形で馴染んでいる。
 それらはカフェホテルと言った隠語で称され、一般の人間にはその存在をひた隠しながらも、オーヴァード達が孤立しない様に振る舞う組織として広く知られているのだ。特定のラウンジにおいてはワーディングを使用せずとも異界へと侵入出来るゲートと呼ばれる異界への通路が設置されている事もあり、緊急ではない場合はそちらを利用するオーヴァードも後を絶たず、この技術は他の組織においても存在するものとして知られている。

●ワーディングについて
 本ステージにおけるオーヴァードの持つワーディングは異界へと侵入する為の門(ゲート)の生成であり、基本ステージにおける広範囲を覆うオーヴァード以外の存在を遠ざける物としては機能しておらず、広範囲に展開しようとしても、半径数m程度の異界転送を行う程度が席の山となっている。しかもワーディングでの緊急の異界への侵入はイドの侵蝕を速めてしまう原因ともなり、反転判定の対象ともなってしまう。
 その為に、イージーエフェクトによる人払いなどは侵蝕率を高めない行為として有用であるとされ、本ステージにおいてはPC達の強い味方となってくれる事は大いにあるだろう。
 しかし、それはあくまでPCなどの通常のオーヴァードが保有するワーディングのレベル1であった場合の話だ。ジャームやアニムス。その他の存在においては、レベル2以上のワーディングを有する事も珍しくない。本ステージにおけるワーディングとはその個人が持つ力によって、その脅威を増すものであるからだ。

 基本ステージにおけるワーディングと違う点は、ワーディングの範囲もそうではあるが、ワーディング自身が現実を異界へと侵蝕させ、高レベルのワーディングを行ったキャラクター自身の思うがままの空間を作り出す事が出来たり、異界に自然発生するジャーム達を操る事が出来る点だ。本ステージのワーディングとは文字通り現実を自己で塗り替える力であり、ワーディングそのものが災害となってしまう程のものなのだ。
 キャラクター作成によって作ったPCであるワーディングはあくまでレベルを1より高くする事は出来ない。それはイドに抗い続けるが故の限界であり、高次のワーディングの保有は人を辞めた証拠であるためだ。自己の思うがままに世界を塗りつぶし、一般人もオーヴァードも構わず侵す。人から外れた所業を行うものは、最早オーヴァードとは言えないのだ。

 本ステージの《ワーディング》の効果は以下に改定され、下記にはワーディングのレベルごとの影響を例にあげる。

【ワーディング】
最大レベル:5
タイミング:オートアクション
技能:─  難易度:自動成功
対象:単体〜シーン(選択)  射程:視界
侵蝕値:1         制限:─
効果:
 異界へと侵入する為の特殊な門の発生や、周囲を異界へと変貌させ、現実と隔離する事の出来るエフェクト。
 いつでも使用出来る。任意の人数が侵入する事が出来る門を発生させる。門の発生に集中力は必要ないが、門を発生させたオーヴァードがくぐった時点で消滅し、証拠は一切残らない。
 これは逆に異界から現実世界へと帰還する門としても使用が可能で、オーヴァードは常に異界へと出入りする事が可能である。その他にも、通常のPCであるオーヴァードでも半径数m程度のワーディングは行う事が可能で、あくまで緊急手段として用いる事が多い。
 このエフェクトは、周囲に敵性存在や、妨害があった場合、門の生成はする事が出来ず、緊急の展開においては数m程度の周囲の異界化であるワーディングの展開のみが可能だ。緊急のワーディングの場合は反転判定が自動で発生する。そしてこのエフェクトは侵蝕率ボーナスによる最大レベル上昇の効果を受けない。

レベル1:通常のワーディング。門の発生と半径数m程度の周囲の異界化。この際一般人だけを異界に招かず、敵を引きずり込むと言った所業も可能だ。
レベル2:レベル1のワーディングとは違い、広範囲を直接異界に変貌させ、ジャームの操作も可能とする。このレベルにおいては最大で半径100m程までが範囲となるだろう。
レベル3:異界化の影響が広まり、ジャーム達を一時的に作り出す事すら出来、一般人のオーヴァードの覚醒も発生し、その範囲も最大で数kmまでが確認されている。
レベル4:範囲は都市やもしくは国家単位となる。非オーヴァードによってはこれによって覚醒し、殆どがジャームへと変貌する。一種の災害である。
レベル5:世界が直接的に異界へと置換される。もはや非オーヴァードは生存が絶望的な状態であり、世界の崩壊に直接関係する程の事象となる。

購入判定やアイテムの扱い
●VEステージのアイテムの扱い
 本ステージににおける一般アイテム、武器、防具などは、異界関連組織においての各技術によって製造され、上記したラウンジへと大方流通する事となる。これらは購入判定やプリプレイ時に入手する事ができ、通常の購入判定と同様にシナリオ途中にGMの許可やPLからの申請にて購入する事ができる。勿論、エンブレムデータやDロイスにおけるアイテムのような特殊な物品は伝手が必ず必要となるのだが、ラウンジは他の異界関連組織の支部などと比べて、各地域に広く分布されている。
 その為、組織員が物資を補給する為にも、各オーヴァード同士の中立地帯であるラウンジにアイテムを流通させ、利便性を高めているのが実情なのだ。

●購入判定について
 本ステージにおいて特徴的なのは基本ステージと同じく通常の購入判定も可能ではあるのだが、購入判定は異界内でも可能であり、オーヴァードは異界の物を一時的に自らの望む形へと書き換え利用する基本ステージにはない特別な力を有している。
 異界には基本的に商店と言ったものは存在せず、調達と言った行為はそう簡単には出来ない。しかし、本ステージのオーヴァードとは、異界に存在するイドと同調を果たしたのがオーヴァードであり、異界に順応する適応性を生まれながらに有している。
 そんな特性があるからこそ、異界に存在する無機物への干渉能力を有し、それこそが本ステージにおける【社会】による異界への干渉力と言う形で表現される。
 他者への影響力を示す【社会】の能力値は異界にとっても強い意味を持つ事になり、異界内での購入判定を可能にするのだ。

 この干渉力はあくまでモルフェウスのような万物の等価交換には遠く及ばない。しかし、強力なジャームやアニムスがヴォイドラビリンスを作る様に。異界を思うがままに操作すると言う能力はオーヴァードには共通で備わっているのが、本ステージであり、だからこそ、オーヴァードである限り、力の大小は有れど異界の無機物を変化させ、特定の物品として変じさせると言った芸当が可能になるのだ。

 しかし、それはあくまで一時的な変化であり、永続的に保っていられるものではない。
 異界内における購入判定にて購入した物品は現実世界に戻れば即座に消滅してしまうと言う点に注意すべきだろう。異界で変質させたアイテムを現実での売買に用いる事は出来ないし、異界でアイテムを購入し、現実に用いると言った事も難しい。その為に、異界における購入判定はあくまで、緊急手段であると認識する方がいいだろう。

 異界から持ち帰られるアイテムと言うのはそれだけで特別な物であり、ユニークアイテムや遺産、そして元が強いエネルギーを有す為に消滅しない異界の石。これらが異界から持ち帰られる物とだけ覚えておいてほしい。そう言ったアイテムの捜索と言ったシナリオも一つのフックになるのも留意しておくべきだ。

●財産点の使用について
 異界における購入判定にも財産点は使用出来る。異界で金銭を利用する事は想像し辛いかもしれないが、現実世界において、金銭とは物品との対価であり、金銭は人々の強い執着対象になり得るものだ。異界においても、現実世界の広い認識は影響を及ぼし、金銭とは[対価]であると言った認識によって、異界においても購入判定や情報判定に財産点を使用出来るようになっている。
 これはつまり、イドと人間が元より繋がりを有していると言う証でもある。しかし、その繋がりが何時から発生していたのか。その謎は今のところ誰にも分からない。

●ヴォイドマテリアル(EXレネゲイド)について
 本ステージにおいて、レネゲイドウイルスが観測されていない世界の為に、基本ステージに存在した無機物に感染したレネゲイド、EXレネゲイドは存在せず、それらはヴォイドマテリアルと呼ばれる物となります。異界の影響を受けた物品の総称であり、EXレネゲイドと同様に本来の機能よりも変質した物品である為に、現実世界においても高値で取引されている。異界で発生した物品ではあるが、異界での購入判定におけるアイテムとは違い、現実世界においても問題なくその機能を扱う事が出来る。

 本来、オーヴァードとなるのはイドへの繋がりを得た人間だけである筈なのだが、ヴォイドマテリアルや遺産(レガシー)と呼ばれる特殊な物品を作り出す為に、イド以外についても異界には何かに大きな変化をもたらす作用が存在するかもしれないと、各国の研究機関や組織にて推測されている。

●遺産について
 遺産(レガシー)とは、ヴォイドマテリアルと同様に異界の影響を受けた物品であるにも関わらず、その力が明らかに通常のヴォイドマテリアルよりも強力な力を有し、遺産との適合によってでもオーヴァードを生み出してしまうような特別な物品を指す。

 ヴォイドマテリアルと同様に、異界内で何らかの理由にて強い力を有した物品であったり、現実世界において存在する様々な逸話や伝承に因んだ物品の突如の変質。もしくは高純度の異界の石にて加工された物品が、通常とは比較する事の出来ない程の強力な力を有したアイテム。それらの総称が遺産として扱われる。
 しかも、ごく稀ではあるが、アニムス自身やアニムスの一部が特定の親和性の高いアイテムへと変化や憑依を行った事で、それ自体が遺産として扱われる事もあるだろう。

 上記でも挙げた通り、ヴォイドマテリアルと遺産の違いはその能力の強大さと異質さもあるものの、重要なのは、遺産との適合のみでイドとの同調がなくともオーヴァードへと変異する事だ。遺産による覚醒はイドとの同調や融合よりも、遺産からの力の供給にて、オーヴァードとして振る舞う事が可能であり、イドとの関係は通常のオーヴァードよりも薄い関係性となる。

 しかし、あくまでイドとは違い、自分とは無関係な物品である為か、その力を制御しきる事は至難の業で、遺産自体がオーヴァード本人を遺産が好む形質に変えてしまおうとし、それが遺産で覚醒したオーヴァードの侵蝕率の由来となるのだ。
 とは言っても、遺産で覚醒した事によってイドと人との繋がりが消えた訳ではない。確かに遺産の力は強大であり、それ自体が争いの火種になり得る程の物ではあるものの、あくまで本来のオーヴァードへの覚醒とは違う事には注意すべきだ。遺産に奪われた場所を取り戻すために、内なる自分自身が何を企てるのか解らないのだから。

●呪物について
 呪物(ダムド)とは、ヴォイドマテリアルと同様に異界に影響を受けた物品であり、遺産と類似点が多い特別な力を持つヴォイドマテリアルであるのは変わりないが、呪物にしか存在しない厄介な点も有している。それは遺産は適合する継承者を探し選ぶのだが、呪物においては[無差別に周囲の人間を使用者として選び、極的に侵し、殺す]と言った凶悪性である。

 呪物はオーヴァードやアニムスによって生み出される場合もあり、悪意を持って存在する呪物は積極的に人を死に貶める危険物としても認知されており、呪物の系統によっては村や街の崩壊すらも一つの呪物によって引き起こす忌々しい呪いとして、災厄を自ら振り撒くのだ。

 しかし、そんな呪物にも適用し抗う存在は確かにいる。それが呪物免疫者だ。
 呪物は契約をする訳ではない。無差別に身勝手に他者を侵し、殺すのは彼等の性であり止められるものではない。そんな呪物へと適応し呪物の力を引き出せるものを呪物免疫者と言い、呪物の侵蝕に対する強い免疫力を有しながら呪物が持つ特別な力を扱う抵抗者としての素質だ。

 それでも呪物は常に他のすべてを呪い、侵す。免疫があったとしても侵されていく感覚が拭える事はなく、何れ破滅をもたらしてしまうだろう。
 呪物に関わればその先は常に破滅が付き纏う。それでもなお呪物へと抗い続ける姿は人間自身の性と言っても過言ではないのかもしれない。

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