本作は、「矢野俊策、F.E.A.R.、KADOKAWA」が権利を有する「ダブルクロス The 3rd Edition」の二次創作物です。

呪術

■呪術について
 本ルールはDX3rd公式サプリメント[クロウリングケイオス]に記述されている《魔術》を基礎としているが、本来の魔術とは異なる点やルールでの修正点があります。なのでこのルールを参照したとしても[クロウリングケイオス]における《魔術》を使用する事は出来ません。

 呪術とは日本におけるオーヴァードの行使するエフェクトとは別種の力であるが、本質的には異界に影響を受けた人々が現実へ異界の力を行使する為に生まれた技術体系の一つである。日本においては呪術とされてはいるものの、他地域においては魔術や妖術と言われており、その地域によって体系は異なる。特色がある故に生まれる術法も様々だ。

 呪術やそれらの異界の術法は人間が使いやすい様にデザインと加工を施した異界の術法に過ぎず、異能と呼ばれるオーヴァード、つまりはエフェクトに及ぶ事は早々出来るものではない。未だ人の手では異界の力を全て引き出す事は困難であるからだ。しかし、世界には錬金術、呪術、魔術と分野によった偉人は歴史名を刻んでいる。つまりは力の差は大きくはあるものの、覆せぬ物でもないと言う事だ。

 そして、呪術には明確な利点がある。これはイドを経由していない力であるからこそ、現実世界においても十全に使用出来ると言う点だ。エフェクトは基本的に現実世界においての使用には負荷が掛かってしまう。だからこそ、オーヴァードの中には呪術を嗜む事で、現実世界においての手札の一つとする事もある。エフェクト並みに協力とは言えずとも、小回りの良さを利とする。現代においての呪術とはそう言った物として成り立っているのだ。

 往年の作品の如く、呪術もオーヴァードと同じく秘匿性を重視しており、その存在は一般にはひた隠しにされている。しかし、長い年月とは徐々に綻びを生じさせるもので、歪曲された呪法や噂は何処かで歪んだ形で現実となっているのかもしれないし、それによって事件に巻き込まれてしまう事もあるだろう。オーヴァードではなくとも、確かに異界の術法は非日常であり、平和な日々に牙を剥く危険の一つには違いはないのだ。

■異界組織での呪術の扱い
 現在の異界組織や、過去にも忌集連などの古くからの異界組織に関しても、呪術やそれに類似した術法は今なお用いられており、上記の通り、オーヴァードであっても、小回りの利く手札として覚える事は少なくない。しかし、軽視されていると言う事実も存在し、忌集連などの比較的古い組織では、呪術を扱えるものは多いが、逆にBF財団やTECと言った比較的近代に設立した組織内では、その扱いは軽い物とされている。

 なので、立場は決して良いものではないが、近代の組織において居ないと言う訳でもない。その点を評価された人物もいるだろう。もしも、BF財団などの組織において呪術を取得しているキャラクターを作成した場合はそれを加味したキャラクター作成を行ってほしい。

■呪術ロールについて
 呪術の使用時には特別の記載がない限り、メジャーアクションを消費して呪術を使用する事が出来ます。
 通常の判定方法ではなく、専用の判定ロール[呪術ロール]が必要となります。それらは[(【精神】+<意志>)÷2個(端数切り上げ)]個のダイスロールを行い、その合計値によって呪術の発動の成否を設定する。なので、呪術ロールに関してはクリティカル値が存在せず、エフェクトと組み合わせる事も出来ない。オートアクションによってダイス数を増加させるエフェクトも同様だ。
 呪術ロール時には<知識:呪術>を固定値として加える事も出来る。これは呪術ロールにて算出した数値に加算する形で達成値として扱い、もしも、<知識:〜〜>で効果を適用するアイテムがあれば、その効果も加えて構わない。呪術とは不安定なものの、知見の深さによって安定させる事が出来るのです。

■呪術の発動値について
 呪術には発動値が2つ存在する場合があります。発動値が2つ存在する場合、呪術の発動成功の成否は左側の数値を参照し、その値以上の達成値を算出した場合は問題なく呪術が発動します。
 しかし、予め右側の数値を宣言し、呪術ロールを行った場合、発動した呪術の効果と共に記載された追加効果を得る事が可能できます。右側の数値を宣言し、もしも失敗すると、自動的に1D10点の侵蝕率を増加しなければなりません。

■呪術の制御
 呪術ロール時には1D10を使用し、振るダイスの合計値を算出値として扱うが、この際振ったダイスの中に1の出目が含まれている場合、これは呪術ファンブルとして扱う。呪術ファンブルをすると、呪術ロール時の出た1の出目の数に応じて、侵蝕率を増加しなければいけません。
 1の出目が一つの場合は1点、2〜3個の場合は3点、4個以上の場合は2D10点の侵蝕率の増加が発生し、しかも1の出目は呪術ロールの達成値としては扱われません。
 しかし、逆に10の出目が発生した場合、10の出目分の追加のダイスを振り足す事が出来る様になります。あくまで出来るなので、PLの判断によってしなくとも構いません。そして最終的な達成値を基準として、発動値未満か以上かで呪術の成否を判断するのです。

 基本的に呪術ロールにおいては振るダイスの数はPLが好きなダイス数を決定し、判定する事が出来るのですが、[BS:暴走]中であった場合は振る事の出来る全てのダイスを使用して判定を行わねばなりません。

■儀式呪術について
 術式の種別に[儀式]と記載されているものを、[儀式呪術]と呼び、これらの呪術は戦闘中使用をする事は出来ません。具体的な指標はありませんが、戦闘外において、アイテムを使用出来るような場所や地域では使用が可能です。それ以外の詳しい状況に関してはGMで決定してください。しかし、呪術に特別な記載があれば、それを基準として使用してください。
 もしも、GMが許可するなら特別な供物や捧げものなどを利用する事で、一定のダイスの増加修正などを与えても構いません。修正などを決められない場合は、呪術ロールのダイスを+1〜3個程度とするのが良いでしょう。

▼大規模儀式
 呪術には種別に[大規模儀式]と記載されているものが存在します。それらは大規模な準備を必要とする儀式であり、強大なアニムスやジャームの召喚であったり、大規模な災害を与えるような呪術とされています。
 基本的にPCには使用が出来ないものではありますが、シナリオ上必要であれば、それを取得しても構いません。
 大規模儀式には、通常の儀式とは違い、明確な条件や必要な供物や触媒、或いは生贄なども必要とする事のある禁術と称されるもので、異界組織での呪術使いにおいても、みだりに使ってはならぬ物と周知されています。

 もしも、NPCなどが邪悪な大規模儀式を使用しようとした場合、多くはそのキャラクターを[戦闘不能]にする事で儀式は中断されます。それ以外でもGMが任意で儀式の阻止方法を提示しても良いですし、それ以外の方法等もそれぞれのシナリオにおいて自由に設定して構いません。

■召喚呪術について
 術式の種別に[召喚]と記載されている術式を[召喚呪術]と呼びます。[召喚呪術]はブラム=ストーカーの従者のように、PC以外のNPCを使役するものであり、彼等は[種別:召喚]として扱われます。召喚された存在は召喚した術者の命令を基本的には聞きます。
 あくまでPCは複数の召喚物の使役は1体しか出来ない。そして従者のようなエフェクトにて呼び出したものと同時に使役する事は出来ず、召喚物は常に新しい召喚物を使役し、前の召喚物はその場で消滅する。これは従者に関しても同様として扱います。
 [召喚呪術]において召喚された存在は基本的にアイテムなどでHPを回復させる事は出来ません。しかし、エフェクトによるHP回復や『[種別:召喚]のキャラクターを回復する』等の特別な記述があるアイテムや呪術はHPを回復させる事が出来ます。

■呪術のあいまいな効果
 呪術には効果時間や効果の詳細、データ的に及ぼす影響などが記載されてない場合があります。これはフレーバーとしてどの様な効果をもたらすかを明確にせず、シナリオやGMに委ねる為に行っている部分や、具体的な答えを提示しない事で広い解釈を持って貰う為でもあります。その為、その様な効果の扱いに関してはGMとPL同士の話し合いや、GMでの裁定によって決定し、その場面において適切な物として処理してください。 

呪術データ一覧
【境界降し】
種別:通常    経験点:5
発動値:10    侵蝕率:5
効果:周囲に呪術師やオーヴァード以外には知覚の出来ない空間を形成する事が出来る術式。
 術者が登場しているシーンに使用が可能であり、シーン内の場面に【呪術使い】を取得しているキャラクターやオーヴァード以外には知覚出来ない空間を作り出します。しかし、《ワーディング》には比べるべくもなく、展開された《ワーディング》によって塗り替えられる事や、破壊される場合もあります。
 この知覚できない範囲はGMやPLが任意に決定しても構いません。

【強化呪言】
種別:特殊    経験点:5
発動値:─    侵蝕率:2
効果:呪術の術式を使用する前に、祝詞や更なる呪言を上乗せする事で呪文の強度を安定させます。
 この術式はマイナーアクションにて使用が可能です。この術式には発動値は存在せず、使用を行うと、次のメジャーアクションにて使用する術式の判定時に。算出した出目の中で、一つを選択し、そのダイス目に+2します。
 もしくは<知識:●●>の判定の達成値に+3します。

【癒しの恵薬】
種別:儀式    経験点:10
発動値:12/22  侵蝕率:3
効果:特殊な薬草や供物と共に、呪文を唱える事で対象の治療を行う塗り薬を作り出す術式。
 応急手当キットを1d10個作成します。この術式の使用には10分間の時間を必要とし、一度使用すると24時間経過するまで再使用する事が出来ません。
 もしも、発動値の右側を宣言した場合、判定に成功すると作成できるものは高性能医療キットと1d10個となります。

【見破りの白霧】
種別:通常    経験点:10
発動値:15/25    侵蝕率:2
効果:
 特殊な白い霧を発生させ、透明な相手や隠れている何かを発見する術。
 シーン内に登場しているキャラクターひとりを対象とします。対象であるキャラクターが[隠密状態]であってもこの呪術では対象にする事ができます。
 呪術判定に成功すると、対象の[隠密状態]または《不可視》の効果を解除する事ができます。
 判定時、発動値を右側の数値に宣言し成功すると、シーン内に存在している全てのキャラクターやエネミーの[隠密状態]や《不可視》の効果を一度に解除します。

【蝕む呪い】
種別:通常  経験点:10
発動値:20  侵蝕率:3
効果:特定の相手に呪いをかける事によって、対象を蝕み、命を削っていく基礎的な呪いの術。
 シーン内に登場しているキャラクターひとり、または氏名と顔を知っているキャラクターを一人対象とします。
 対象となったキャラクターはシーン開始時、もしくはラウンドでの処理最中であれば、ラウンドの開始時にHPに3点のダメージを受けます。
 呪術の発動が成功すると、従者が死亡するか、もしくはエフェクトの効果を無効化または消滅させる効果によって解除する事が可能です。

【夢現の調べ】
種別:通常    経験点:10
発動値:17/27  侵蝕率:3
効果:知覚し留めた記憶を夢として誤認させる事によって、やがては忘却するようになる穏便な記憶忘却術式。忘却された記憶は当人にとって解釈し易い形へと補完され、無為消失していく。
 シーン内のエンゲージ一つを対象とし、エンゲージ内のキャラクターの任意の記憶を忘却させます。
 通常はこの術式は対象が無力化されている場合にのみ効果を発揮しますが、右側の発動値を宣言し、成功した場合、対象が無力化出来ておらずとも記憶を夢へと変換させられます。
 この術式の効果はオーヴァードやジャーム、その他のエネミーに対しては効果がありません。

【抑制領域】
種別:特殊    経験点:10
発動値:─/15  侵蝕率:2
効果:オーヴァードが一般的でなかった時代からイドやジャーム達を抑え込む為に作りだされた異界の影響を一定量緩和する小規模結界を展開する術式。
 この術式は反転判定時、または衝動判定時直前にオートアクションにて使用ができます。この際、[呪術ロール]は必要とせず、使用すると反転判定もしくは衝動判定時の達成値に+2します。
 この術式はメジャーアクションでも使用を行う事が可能であり、右側の発動値を参照して判定を行います。そうするとイドやジャームだけでなく、他者や一般に対して結界を展開し、一時的に異界の影響から逃れる事が出来ます。効果時間はGMによって決定してください。

【神祓いの呪剣】
種別:通常    経験点:15
発動値:20/40  侵蝕率:4
効果:呪術の力に邪なるものを祓う神気を武器に付与することで、一時的にその威力を高める術式。
 術者から[射程:至近]に選択可能なキャラクターの持つ[種別:白兵]の武器一つを選択し使用します。発動すると、シナリオ終了時まで対象の武器の攻撃力に+3します。
 判定時、発動値を右側の数値に宣言し成功すると、対象の武器を装備しているキャラクターは能力値一つを選択します。1シナリオに1度だけ攻撃の攻撃力に+[選択した能力値]します。

【穢れの炎】
種別:通常    経験点:15
発動値:22/44  侵蝕率:5
効果:人だけではなく魔すら蝕む穢れた炎を扱い、強烈な痛みをもたらし、ジャーム達などに対抗する術式。
 術者の視界内に存在するエンゲージを一つ選択します。対象はその対象に呪術ロールにて算出した[達成値÷10+2]D点のHPダメージを与えます。
 この呪術では対象は[呪術ロール]にて算出した達成値を目標値として、ドッジを行う事が可能であり、成功するとHPダメージは0となります。
 判定時、発動値を右側の数値に宣言し成功すると、対象はドッジを行う事が出来なくなります。

【式神召喚】
種別:儀式/召喚  経験点:15
発動値:15     侵蝕率:6
効果:古くから陰陽師や神道にて扱われる形代を触媒にした式神を召喚し、使役する術式。
 式神を召喚する。召喚した式神はHPが0以下となるか、術者が呪術の効果を解除しない限り、シナリオ終了時まで継続します。
 式神のデータはこのwikiデータの式神を参照すること。

【精霊の調べ】
種別:儀式    経験点:15
発動値:15    侵蝕率:2
効果:異界内に希薄に存在するアニムスの一種である精霊を使役する事で、より効率的な情報収集を行う術式
 この呪術の儀式に成功すると、一回だけ情報収集判定を行う事が出来る。この判定は<知識:異界>の技能を使用して判定を行う事が可能であり、この判定の達成値に+2します。

【眠りの呪い】
種別:通常    経験点:15
発動値:15/30  侵蝕率:3
効果:相手の精神に作用する事で、眠りを引き起こす術式。
 術者から10m以内に存在するキャラクターを1対対象にして使用出来る。発動すると、対象を眠らせる事が出来る。この睡眠時間は通常であれば、3時間程効果が継続するが、オーヴァードやアニムス、超常的な生物に関しては効果が薄い。
 もしも効果を発動させるのなら、右側の発動値を宣言した上で、受動側は[任意の能力値を用いた判定]で対抗判定を行っても良い。敗北した場合は対象を強制的に睡眠させる事が出来る。しかし、シナリオによって不意打ちなど抵抗が全く出来ない状況であれば、その限りではない。

【念動力】
種別:通常    経験点:15
発動値:15/25  侵蝕率:4
効果:効果:周囲に呪術的な作用を引き起こす事で、一時的に念動力のような物体に干渉する事が可能。呪術による念動力は物体を破壊する程の力を持つ。
 術者の視界内に存在する対象を1対選択します。その対象に呪術ロールにて算出した[達成値÷10]D点のHPダメージを与えます。
 この呪術では対象は[呪術ロール]にて算出した達成値を目標値として、ドッジを行う事が可能であり、成功するとHPダメージは0となります。
 判定時、発動値を右側の数値に宣言し成功すると、この呪術の対象を範囲(選択)に変更します。







【式神】
種別:使役生物  行動値:6
【肉体】1 【感覚】5 【精神】2 【社会】1
HP:20 回避値:10 装甲値:0
攻撃:なし
パーク:《移動力》30《援護防御》《遠距離援護》30

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