本作は、「矢野俊策、F.E.A.R.、KADOKAWA」が権利を有する「ダブルクロス The 3rd Edition」の二次創作物です。

【パブリック・オブ・ユニティ(POU)】

 パブリック・オブ・ユニティ(以下POU呼称する)は異界組織の中で、現実世界と異界との調和や線引き、或いは利用を考える集団の中で異端と言える組織であり、『異界と現実の完全な融合』を組織目標と掲げています。それと共にオーヴァード第一主義を唱える組織であり、それに伴った政府機関への攻撃や工作、一般への武力や能力行使による宣伝活動、偶発的に生まれた異能者の勧誘を行い、数々の異界組織と敵対している稀有な組織の一つです。

 POUの起源は第二次世界大戦直後からその存在が確認されており、異界に関する研究が世界的に始まった頃、国粋主義者や敗戦国の上層部の一部、他には様々な人種が流れ着き、創立者である"マクシミリアン・H・ビルケンフェルト"がとして設立したと言われています。彼は無名でありながら、異界研究に対しより強い知見を有しており、流れ着いた人々に対し、この世には多くの人々が知覚していない未知の世界と知識が存在する事を謳いながら、協力を促しました。それは第二次世界大戦直後の疲弊した彼等にとって興味を引くものとしては充分な物であり、未知に対する知的好奇心や未知への接触への欲望を孕むのには充分だったのです。

 彼等の拠り所として最初に生まれたのがPOUであり、POUの変質をもたらしたのは後から流入した欧州内で残存していた古くから存在した異界組織が中枢へと入り込んで来た事が始まりでした。魔女や異端の宗教組織、秘密結社などのPOUよりも古くから異界の事を知り、活動を続けていた組織は多数存在しました。しかし、あくまで彼等は弱小勢力にしか過ぎず、一部の街や都市にて力を持つ程度にしか過ぎない組織が欧州の各地にて点在していたのです。

 しかし、これらを創立者であるマクシミリアンは受け入れ組織内に組み込みました。マクシミリアンは元よりその節が存在し、彼自身が神秘学やオカルト方面に精通している学者肌である事からも、元より規定路線であったと言う話もある程です。この流入と合併こそが組織内においての過激思想を生み出すと同時に、組織拡大を助長しました。これにより、欧州だけでなく、欧米まで手を伸ばし、世界各地へと魔手を伸ばしています。それは忌集連やBF財団のような調和を重んじる組織においては許せる物ではなく、敵対関係となっています。

 彼等が掲げる目標は一つではありますが、その到達手段においては各個人に任せており、POU内には無数の派閥がそれぞれの手法にて、異界と現実の融合を目指そうとしています。無論この中で、全くそれを無視して、POUと言う巨大組織を利用するだけの派閥も存在します。しかし、彼等の中でそれを拒否する事はありません。例え、利己的な目的のみであっても、何時の間にか呑み込まれる。POUとはその様な組織であるからです。

【ラスタについて】
 POUは組織の方針上幾つもの派閥が乱立しています。それらは別個の組織として自治を行っており、基本的には独立した行動を取ります。そんな数々の派閥はラスタと呼ばれ、POUにおける最小組織単位でありながら、基本単位として扱われています。ラスタはヒンズー語にて「道」を意味する単語であり、POUの組織体系の中で、数々の道を作ろうとも、最後には一つの道へと収束していく事を示しているのです。

 ラスタは一単語ではありますが、その規模においては言及はなく、数人程度の小規模のラスタから数百人以上は在籍しているラスタまで、その存在は多岐に渡ります。無論、どのような活動をしているかも様々ではありますが、それぞれがPOUの掲げる命題について、取り組んでいる事は間違いありません。どのような道を行くとしても、POUに居る限り、その道はやがて、一つとなっていくのです。

【ロゴスについて】
 POUは各団体にそれぞれ自治を任せている組織ですが、そんな組織においても重大な権力を持つ巨大な意志決定機関が存在します。それがロゴスです。

 ロゴスはPOU内のラスタの中で、マクシミリアン・H・ビルケンフェルトが認めた力あるラスタとして、"プラエトル"の称号を授けられたラスタリーダーの8名と、スキルヴィングと称されるマクシミリアンを議長として据え、全9人がアリストテレスと呼ばれる秘密施設にて定期的に会議が開かれているとされています。それ以外に知られる情報は多くはありませんが、POUの活動報告以外にも意志決定やラスタ自体の処遇を決定するものと、内容は様々であり、時にはプラエトルの世代交代も行われるらしいのですが、詳細は明らかになっていません。

 POUへの加入を果たした場合、このロゴスにおける決定は創始者であり、指導者のマクシミリアンの決定と同等の扱いとされており、如何なるラスタであっても、これに逆らう事は愚かだとされ、曲者ばかりが揃うPOUであっても、異を唱える事はありはすれ、逆らいはしません。それはマクシミリアン自身の求心力もあるでしょうが、マクシミリアン自体が強大なオーヴァードとして広く認知されていると同時に、彼の守護隊である[ヴァルキュリア]と呼ばれる親衛隊が常に彼の傍に付いているからともされています。

 ヴァルキュリアはマクシミリアンの護衛役だけでなく、ロゴスにて決定した事項を組織内の末端のラスタまで伝える役目も担っており、各地域のラスタ達を一か所に集め、伝達を滞りなく行い、そして反逆の意志を見せる異端者や他組織に移籍する裏切り者を時には処罰する事もあります。しかし、裏切り者の処罰に関しては重要人物以外に行う事は少なく、ヴァルキュリアも積極的には見えないとされています。詳細は謎ですが、これらもマクシミリアンの指示なのか、真相を知る者はいません。

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