本作は、「矢野俊策、F.E.A.R.、KADOKAWA」が権利を有する「ダブルクロス The 3rd Edition」の二次創作物です。

異界(ヴォイド)やジャームについて

■異界について
 本ステージでは、基本ステージや他の専用ステージでは見られないものが、存在する。それは表の世界の鏡のような裏側の世界。それこそが異界(ヴォイド)と呼ばれる完全な異世界の存在だ。これらは未だ各国の機関や異界由来の組織において、研究が進められているが、未だ発生時期や原因は発覚されていない謎の異空間として広く知られている。
 少なくとも、古い記録には紀元前にも同様の存在が確認されており、民間伝承や神話における冥界や神隠しの行き先であると説や人の急速な文明発達の原因とされる説や地球外からの何らかの干渉とされる信憑性のない説すら展開されている程で、未だ人の手に余る異界の存在は裏の世界で確実に世界へと影響を与えているのだ。
 
 異界の光景は基本的には現実の世界と鏡写しの様に同じになっており、現実世界の様相をリアルタイムである程度模倣しているのか、気付かぬ内に建設を完了した建物などの出現や物品の消失や出現などと、絶えず変化を続けているのだ。

 しかし、鏡写しのような異界が現実世界と違うのは、基本的に異界には色がなく、白と黒、モノクロで構成された空間である事だ。他には、頭上には月が存在せず、煌々と光る黒い太陽が常に存在する事や、基本的に生命反応を持つ動物は存在せず、異界内を跋扈(ばっこ)しているのは、ジャームアニムスと言った神秘的存在であり、現実世界でみられるような生態系は一切存在しない。
 特にジャームは侵入した人間や迷い込んだ人間を襲う。これらが異界の危険性を如実に示し、一般に広まる事がない理由となっている。

■異界由来の特異な現象や災害について

●ヴォイドポイント
 ヴォイドポイントは古来の日本においては虚(うろ)と称される現象であり、これが完全に異界を放置出来ない理由となっている。これは異界の一部が現実世界の何処かに突発的に出現する現象であり、その規模は場合によりはするが、最小は半径数mから観測された数値では半径100kmまでの物も確認されているもので、この地域に侵入もしくは巻き込まれた人間はオーヴァードとしての覚醒などを果たしておらずとも、異界に迷い込む大きな原因の一つとなっているのだ。

 根本的な原因の一つには異界に存在するジャームやアニムスによる高レベルワーディングとされており、他にも遺産の暴走なども確認されている特異災害となっており、放置は出来ない災害として各国の機関は発生次第、即座の消滅や事態解決に走る。放置するとヴォイドポイントの範囲は際限無く拡大する事も広く知られている為に、その対応については迅速に行う事が常に求められている。

 ヴォイドポイントは一定量の内部のジャームの討伐や、高レベルワーディングを展開した原因を消滅や破壊により停止される事が確認されており、民間人の被害や国土の汚染を防ぐべく、各国の異界機関はオーヴァードと協力して日夜対処を行っている。余談ではあるが、ヴォイドポイントは現在よりも過去の方が発生頻度や範囲が少なく、小さいものとする見解も存在し、今後一層の注意が必要と謳う学者も少なくない。
(※要約:現実世界に突然出現する異界の一部。ジャームがいっぱいいるのでヤバい。放置すると拡大する)

●ヴォイドラビリンス
 ヴォイドラビリンスは虚場(うろば)と呼ばれる異界内でも一層特異な空間の総称。これらには主とされるジャームやアニムスが存在し、異界の一部を支配するように振る舞いながら、自らの特異な空間や建造物などを創造する専用の領域である。ヴォイドラビリンスの存在はヴォイドポイントの発生原因や現実世界への特異な現象の原因となっており、ジャーム達が直接で無くとも被害をもたらす領域なのである。同時に、ヴォイドラビリンスの主は通常の異界内よりも力が強まっている事が殆どで、領域自体が主を強くする要素があるのだと、目下研究が続けられている。
 ヴォイドラビリンスを作り出せる強力な個体はラビリンスの展開や、その土地に居続けるだけでも著しい力を発揮し、時には異界から直接現実世界にも影響を及ぶ異常事態すら起こす場合も確認されています。

 ヴォイドラビリンスは一部において人類側と不可侵条約を結んでいる場所も存在します。そんなラビリンスの主は条約を結んだ人類側と取引する事もあり、それが過去の因習として存在した生贄を用いる土着信仰や一部の山岳に影響を及ぼした事例も少なくはありません。
 一般的にヴォイドラビリンスを持つのは高レベルのワーディングを所有する存在であるとされており、相手の有利な空間へと自ら入って対処する必要がある為に、ヴォイドラビリンスの消滅には多大な危険を孕み、ラビリンスの攻略時には相当数のオーヴァードや呪術士と言った特殊技能者が必要であるとされています。
(※要約:ボスが作る特殊なフィールド。ダンジョンと捉えても良い)

●ヴォイドエフェクト
 ヴォイドエフェクトは異界隠しとも呼ばれ、異界が現実に与える影響や異界内で発生した事象に関して現実世界にて発生する修正作用の事です。異界内においてはオーヴァードや異界に対する確かな事前知識を有していない限りは、異界で起こった出来事に関して一般人は記憶に留める事が出来ず全て忘却します。故に、異界内の事件に巻き込まれた一般人は例え異界内で傷を負ったとしても、別の要因にて傷を負ったものとして自動的に補完され、異界に関する出来事を覚えて居られる事が出来ないのです。

 その他にも異界内で一般人が死亡または行方不明になると、被害者当人に対する他者の記憶や様々な記録が元々いなかったかの様に自動的に修正され、上記と同様に若干の違和感があったとしても、脳が知覚する事が出来なくなります。
 異界と現実との差異に対しても修正作用は一般人をむやみやたらに記憶処理しなくても問題ない理由であると同時に、何時の間にか親しい人物が消失していると言う知覚出来ない異常に陥るものとされています。

●ボーダーエリア
 ボーダーエリアは虚溜(うろだまり)と称される現実世界において異界の影響を受けやすい地域の事を指し、特定の地域においては虚の発生が通常の地域に比べて倍以上も違う場所も存在する危険地域であり、日本においては古くから土地を管理している家系が存在したり、現在においては各国にとっての重要地域として認識されている場所である。

 ボーダーエリアには虚の発生が頻繁にある代わりなのか、現実世界には存在しない異界由来の物品や異界の石で形成された遺産と呼ばれる物が発生し、同時に重要資源でもある異界の石が石油の源泉が如く湧き出す地域でもあり、本ステージにおいては裏の世界における重要地域として認知されている。同時にこの様な地域ではアニムスの存在が確認され、神秘的存在との結び付きが強い為に、都市伝説や噂で怪異などの話が増える元となってしまっている。

 ボーダーエリアは何も土地だけに限定されず、特異な建物や限定的な地域も時折確認されている。富士の樹海。東京駅。稲荷神社。とランドマークやロケーションもこれとなる。人が集まるが故に、様々な想いが飛び交うからこそ、異界に近い場所は生まれるのかもしれない。
(※要約:色々事件が起こったりする土地のこと)

●異界の石(ヴォイドクリスタル)
 異界の石は異界に自然生成される内部中央に赤黒い炎が揺らめく青い結晶であり、現状異界が各国が干渉し続ける原因となっている特殊な結晶。異界の石はこの結晶を用いて発電を行うだけでも拳大程度の大きさで、大型都市の一年分並みの電力を発生させる事が可能な強大なエネルギー資源であり、化石燃料や自然燃料に依存した現代において新しいエネルギー資源として注目されている物質。
 これらを用いて、特殊な武器や防具なども作る事が出来る万能に近い物質で、時折、人に宿り、オーヴァード自体にも強大な力を与える事もある程に、そのエネルギーは膨大である為か、様々な利用用途に期待されている。しかし、異界の石には多量の異界の石が現実世界に保管されると、特殊な信号のようなものを発し、ジャームなどを集めてしまい、ヴォイドポイントを発生させてしまう危険性も孕んでおり、各国は魅力的ながらもそれらに対処する為の研究が日夜進められている。

■イド・ジャーム・アニムスについて

●オーヴァードとイドについて 
 古くから異界の存在は人間にも大きな影響を与えていた。それは異界の影響下に入る事で、只人である筈の人間を人を超えた超人。異能者オーヴァードへの変質である。近代以前においては魔女や魔法使い、霊能者などと呼ばれた彼等は、近代に入るにつれ、ESPと呼ばれた力の一端とされ、次第にこれが人類の進化と言う科学的な検知に基づいた物であると証明されたからだ。

 この超人への変質、オーヴァードへの変質は異界に存在するイドが惹かれ合う事で変化する事が確認されており、異界に存在するイドと呼ばれる不定形のそれは、特定の個人と同調する事で力を得るのだ。
 これは、異界に存在するイドと言うそれがオーヴァードへと変ずる個人と何か繋がりを持つ事を暗示しており、異界関連の組織においては「イドとは異界に存在する個々人の一側面の自分自身であり、ドッペルゲンガーのような物である」と言う話が出ており、ヴォイドポイントに巻き込まれた一般人がその事件を切欠にオーヴァードへと変化している例も多く見られている事からも有力な説として通説となっている。
 イドとの同調こそが、オーヴァードとしての力の源泉であり、イドを通じて異界の力を行使する事で通常の人類には考えられない超人的な力や超自然的な事象を行使する事となるのである。基本ステージにおけるレネゲイドウイルスであるのがイドと考えても良いが、只進化と侵蝕を生み出すレネゲイドウイルスとは違い、自分自身の一側面だからこそ、成り代わろうと自分自身を侵蝕すると同時に、死なぬ様に力を与え続ける奇妙な共生関係を作り上げているのだ。イドと本体である人間としての自分自身の戦い。本ステージにおけるオーヴァードとは、そう言った自己との闘いも重要なのだ。

 しかし、何故、異界と言う異質な世界に個々人の一側面が存在しているのかは謎となっており、異界とオーヴァードは深い繋がりが存在する事を示唆しているに違い無いと、日夜研究が推し進められている。他にもこの異界にはイドとは違った異なる存在も確認されている。それがジャームアニムスと言う存在だ。

 この二つについては下記に記述するが、これこそが異界が人類にとって危険な空間であるとする証左であり、異界関連の組織内で異界と現実への明確な区分けや隔離、逆に異界への恭順を見せ、異界と現実との同期を望む理念の組織がある事が出るきっかけとなっている。

●ジャームについて
 本ステージにおけるジャームは、二種類の存在に分けられる。まず一つは異界にて自然発生するジャームだ。
 このジャームは異界に原生生物かの様に異界内を跋扈(ばっこ)しており、侵入したオーヴァードやヴォイドポイントに巻き込まれた一般人などを積極的に襲う事が確認されている。敗北した彼等はジャームに捕食されている事が様々な組織内で報告されているが、普段の彼等は食事に類似した行為を取らない事が報告されており、何故食事行為を行うかは謎とされている。
 一部の研究によっては、老衰以外の事故や突然死、病死などの死亡した人物と類似した特徴を持つイドが異界内で発見されており、普段イドは黒いもやのような形の定まらない形状の存在として、異界内を漂う無害な存在なのだが、そのイドが徐々に形を有し始め、ジャームへと変化する事が目撃されている。
 その為に、異界内に潜むジャームと言う存在は現実世界の自分自身を突然失ったいわゆるはぐれイドがジャームへと変じたのではないと仮説が立てられており、そんなジャーム達は失った自分自身を求めているのではないかとまことしやかに囁かれている。
 これらのジャームは別称として徘徊者(ワンダラー)または稀者(まれもの)。とも言われる事があり、和解も出来ない不俱戴天の敵として、オーヴァード達の天敵となっている。

 そして、もう一つのジャームの種類と言うのが、オーヴァードがイドに呑み込まれ、完全にイドに乗っ取られて異形と化したオーヴァードの成れの果てである怪物の総称である。
 見た目は様々であり、人の形を完全に残したジャームから、完全に化け物の異業と化したジャームも存在し、その形態は様々であるが、一つ重要な点を挙げるとするならば、異界で自然発生したジャームとは違い、それらのジャームは明確に力の差が大きく、人から変じたジャームの方が強大な力を持つ事が多いとの傾向が出ていると言う点だ。ゲーム上でいうのならば、Eロイス等を保有していたり、このステージにおける《ワーディング》のレベルが2以上保有し易いのが、このタイプのジャームであり、キャラクター達の明確な障壁の一つとして、立ちはだかる事も多いだろう。
 このジャーム群は別称として、堕落者(フォールン)や穢れ者(けがれもの)とも呼ばれ、忌集連やブルームフィールド財団などにとっては殺害もしくは無力化して捕獲する対象であり、人々に危害を加える事が最も多い怪物なのである。

 異界には上記のジャームが二種類存在し、凡そが上記の説明通りではあるものの、原生のジャームであっても、特異的な力を持つ個体も幾つか確認されており、逆に人から変じたジャームも全てが原生のジャームよりも強いとは限らない。
 その因果関係は未だに不明ではあるものの、異界において必ず決まった常識などは存在せず、人が完全に解明できない未知の領域として、すぐ傍で佇んでいるのが、異界が異界たる由縁であり、その奥底に潜むものこそが、本来の異界の元凶たるなにかではないかと、摩訶不思議な世界に没頭する研究者は後を絶たないのだ。

●アニムス(レネゲイドビーイング)について
 異界の中にはジャームでもはぐれイドでもない別種の存在が根付いている事もある。それらは異形としての凶暴さを保有する怪物ではなく、知性を持った存在であり、他者にみだらな危害を与えない存在。古くからの異界の住人であり、組織によっては原生のジャームとすら呼ばれる生命体としての超越を迎えたものたち、それらはアムニスと呼ばれ、基本ステージにおけるレネゲイドビーイングと同等の存在である。

 レネゲイドビーイングと呼ばれないのは、この本ステージにおいては、レネゲイドウイルスと言う存在が発見されていない為に、レネゲイドと言う呼称が日の目を浴びない為だ。同時に本ステージのアニムスと言う存在は基本ステージのレネゲイドビーイングよりも、神秘的かつ土着の伝承や信仰によってもその姿見を左右される。それらは神々であったり、竜やペガサスであるような幻想の生物、悪魔や天使。もしくは妖精や怪異。様々な人々が空想した存在の姿見を持つのがアニムスと言う存在だ。
 アニムスには数々の伝承や伝説上の存在が形を持った場合や、直接物に宿る事によって、付喪神の様に物体に意識を宿した例などが多数存在する。様々な形態を持つ彼等であるが、ジャームとの違いは、基本的に知性を有し、即座に襲い掛かるような存在ではない事だ。
 無論、彼等の中にも好んで人を襲う存在はいるものの、それは本能からなるものと言うよりも、怪物としての伝承や怪異としての伝説に縛られ、運命付けられている点であり、見境なく人を襲うジャームとは違い、彼等なりのルールをもって、人と敵対する事も存在するのがアニムスと言う存在である。

 彼らは異界に侵入したオーヴァードや目覚めていない人間との接触を好み、交流を望む事や取引を求める存在も確認されている。気まぐれによっては、迷い込んだ者を手助けする存在もいるし、付喪神のようなアニムスによっては、力を貸して当人をオーヴァードへと目覚めさせる様なものもいる。そんな奇妙な隣人と言える彼らはオーヴァード達にとっては油断はならない存在ではあるものの、交渉の余地がある存在として認識されており、無暗に危害を与えるべきではない。

 しかし、異界関連の組織によってはアニムスですらもジャームとされる事があるのは上記の通りで、アニムスの中にもそんな組織の影響で人間に良い印象を持たず、敵対や距離を置く事例は後を絶たない。人の愚かしさは彼等の知る所であり、それが悲劇を生む事も別段珍しいものではないのだ。
 
●Mエネミーについて
 本ステージにおいて、基本ステージとの差異で大きいのは複数にわたる戦闘イベントなどが有り得る点だ。異界にはジャームが跋扈し、ラビリンスではジャームの中を掻き分け、主の元へ向かわねばならない。そんなシナリオ展開が有り得る故に、GMが扱う敵は通常のミドル戦闘とクライマックス戦闘の二回だけ行う形式がメジャーではあるものの、本ステージでは三回以上の戦闘も有り得る事を予測しているからだ。
 その為に本ステージで遊ぶ場合、[DX3rd データ&ルールブック クロウリングケイオス]に記載のあるMエネミーの使用を推奨している。Mエネミーはエフェクトの組み合わせではなく、あくまでMパークと能力を参照し、エフェクトなどを入る余地はない。
 この簡易的なモンスターデータは必要不可欠となる為に、Mエネミーの使用を推奨している。しかし、あくまで邪神は表沙汰にはおらず、潜むばかりだ。データの流用自体は問題ないが、旧支配者のようなクロウリングケイオスに記載されている存在は控えるべきだろう。

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